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眠り続けていた過去
そう、それは小学5年生のときのこと。
わたしは放課後リュウに呼び出されていた。
(めずらしいなぁ、リュウがいつもの階段以外のところに呼び出すなんて・・・)
まぁ、相変わらず、呼び出されたのは階段だったけれども。
放課後、呼び出されてむかったの学校の西階段の3階。
3階は図工室などがあり、比較的人気の少ない静かな場所だ。
「リュウ!! なーに、話しって?めずらしいじゃん。」
「お、おぅ・・・。」
どことなく歯切れの悪いリュウの返答に疑問を抱いていると、スッと一枚のかわいいハートのマークが描かれている封筒をわたしに差し出した。
「ん?なにこれ。」
とりあえず封筒を受け取ってみる。 手紙か何かなのかなぁ。
「うん・・・まあな。帰ってから開けろよな。絶対だぞ?」
「あ、あと… その手紙に書いてあること絶対誰にも言うなよな、秘密だぞ?」
照れくさそうに頭をかいてリュウが言った。
「わかった! よくわかんないけどありがとうね!帰ったら読むね!」
めずらしくリュウが照れている様子を見たわたしは
なんだろう、 と思いつつその手紙をランドセルの中にそっとしまった。
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