第2章

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メールが珍しいわけではなかった 何かのサイトのメルマガとか迷惑メールだとか、ちょっと携帯が壊れたからと、LINEではなくメールを送ってくることもあるかもしれない だから、不思議に思うことは何もない しかし、不思議に思うことはあった メールの差出人は僕だった 「いや、知らないぞ。。こんなメール」 差出人は僕 けれど、それを入力した記憶なんてものはない 寝ながらこれを打ち込み僕宛に僕が送ったのであれば話は別だ しかし、そんなことをすれば内容のないただの文字列、暗号のようなものになるのではないだろうか そしてそれは数あるアドレスの中から僕に、僕だけに送るなんてことがあるだろうか。。 そう、あり得ないのだ 差出人のアドレスから視線を下へ 文章へと移す 何もなければ、空っぽのメールなら何と気にせず携帯をとじ 再び眠りにつけたかもしれない 【今日は天気がよい だけど、外には出掛けない方がいい 僕は空を飛べないのだから】 メールは空っぽではなかった しかし、意味もわからない たしかに朝から蝉の鳴き声がして、日差しもあり、あぁ、これは夏だ。と納得できる快晴である 快晴であると言ってもカーテンを開けていない僕には本当にそうかもわからない けれど、メールを読んだ僕は勝手に思い込んだのだ 携帯を手から離し身体を起こす しばらく携帯をぼんやりと眺めてはいたが、それ以降携帯が鳴ることはなかった 右手で頭をポリポリと掻き、瞬きを数回 窓の外を確認したくなり手を伸ばす 僕の部屋はベットの上に窓があるのだ その場から動くことなく手を伸ばすだけで外を確認できる 我ながら便利な部屋である 伸ばした右手はカーテンを掴み、1度深呼吸をしてから勢いよくカーテンを開けた
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