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空いたもう一方の手で、彼女は慎を打ち据えようと手の甲を翻えした。が、まるで見当外れで慎に届かない、その手も掴んで引いて、慎は彼女に口付けた。
ただぶつかるだけで、噛みつくように口腔を開く。
眼鏡の蔓が彼女の顔を擦った。慎の鼻面も同様で、お互いに痣をこしらえた。
息を継ぐのも許さないように、口の中を貪った。
息づかいが荒い。
慎だけではなく、彼女もだった。
戯れに抱き合った時は、お互いまだ子供だった。
しかし、彼女は大人のやりとりを知っている。
教えたのは――夫なのか、それとも別の男か?
一度緩めた手首を再び引いて、投げるように女を床上に転がした。
これは私を裏切った者だ。
裏切りには相応しい罪を。
裾がすぼまったスカートのせいで身動きもままならず、彼女は胴体ごと床に芋虫のように投げ出された。板の間か釘がひっかかったのか、ストッキングが裂け、ふくらはぎにうっすらと血の跡が浮かんだ。
一筋の血は、かえって慎を煽った。
かまうものか。
遠慮なくスカートをたくし上げ、ばたつく足を広げさせた。
ぽかぽかと殴りつけてくる拳は片手で押さえ込めた。
所詮女だ、赤子の首をひねるように身動きできなくすることぐらいわけはない。愉快だった。
茉莉花は上体をくねらせて、尚も逃れようとする。
面白いくらいどの女も反応は似ている。けれど、最初は嫌がる素振りをしながら、しまいには男をあっさり受け入れるものだ。
その証拠に――下着の上からでもはっきりわかるくらい、ふっくらと充血した秘裂。
指でこすりつけたら、腰を揺らめかせる。
さらに弄ぶと、湿り気を増してくるではないか。
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