19人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「ん…?」
目が覚めると、地下室?らしきところに僕は横たわっていた。
「こ、ここは?」
「あ!センパイ!!起きた?」
そこには、やはり、ニコニコと笑って、僕を見ている少年。陸海君がいた。
「陸海君…?」
何で陸海君がこんなところに?
………あ、そうか。僕、誰かに口を塞がれて……捕まったんだっけ?
捕まった?
誰が?
僕が?
……!!
「こ、ここから出して!家に帰らせてよ!」
「まぁまぁ、落ち着いてセンパイ……」
「落ち着け?!落ち着けるわけないよ!陸海君、自分がこの立場になったら落ち着けるの?!」
「だから、センパイ…」
「だからじゃないよ!」
「……うるせーなぁ!!!」
ビクッ!
「だから、落ち着けって言ってんだろ?話も聞けねーのかよ。低脳が!!」
「陸海君…?」
「あ?何?」
「その、朝と態度が違うって言うか…」
「はっ!そんなの、猫かぶりに決まってんだろ?素でいるやつの方がすくねーんじゃねーの?」
「そ、そんなの、、、」
ひ、酷すぎる。
「あ、センパイは素だっけ?よくやってこれたね~」
「陸海君!!」
「何?」
「な、何で、こんなところに僕をつれてきたの?」
理由がわからない。
僕は、陸海君になにもしていないはず。
ましてや、昨日初めて一昨日初めて会ったのに……
「センパイさ、五歳ぐらいのとき覚えてる?」
「五歳…?」
何か合っただろうか。
………
五歳の時にあったことと言えば……
御正月
こどもの日
七夕
誕生日
クリスマス
これぐらいだろうか。
御正月、七夕、誕生日、クリスマスは、今でもやっている。
う~ん……何もないんじゃ……
あ、クリスマス。
確か、初めて、お母さんが仕事場の友達に誘われて、クリスマスパーティー行ったっけ……
確か、その時……子供が、七人くらい来てて、皆でかくれんぼしようとしたら、一人いなくて、皆で探したっけ……
その男の子の名前は…
『近藤 陸海』
「え?でも、まさかね。あのときの子とは、全然違うし、いや、顔は似てるけど、声……は、声変わりか。え、でも、性格とか……」
「あ、思い出した?
そう。俺は、あのときの男の子だよ。
もう。俺の事をあんなに必死に探してくれたセンパイのことが、忘れられなくて……」
最初のコメントを投稿しよう!