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「WA(World Augmented)計画では、ゲートの向こうに確認されている二つの要素……“文明の痕跡”、“未知の動植物”の調査に加え“体験”を持ち帰ってもらいます」
具体的には、地球と比べて動き易い、動き難いなどの感覚や、広がる光景に対しての感想などだと男は続けた。それが研究にどういった必要性があるのかとデルタが問いかけたが、実地での体験は重要なものなのだと力説を受けた。
植物や動物は、希少性の高そうなものを二つほど選別して持ち帰ることになっている。あまりに多いと処理に困るからだ。まずは、という事だろう。その運び役はデルタが志願していたので、道具は彼に手渡された。
「向うの世界が人類の生存に適していると判断された場合、人類の植民地として利用される可能性があります。本作戦にはそう言った意図がありますので、くれぐれも間違った観測は避けるように」
その一言を残し、男は足早に去っていった。
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