ワラベウタ2

カンケリ

「あ……あ……」

小さく唸るコウジ。

その体は……自らが踏みつけた空きカンと同じように……ペシャンコに潰れていたのだ。

勢いよく飛び散る血が……僕達を赤く染め上げた。

あまりに突然の出来事に、声も出ない。

「鬼はさ……空きカンを守らなきゃいけないのに」

ヒトシくんは、楽しそうに笑っていた。

「え……あ、いや……コウジ……」

あまりに現実離れした光景に、思ったような言葉が出ない様子のヒサシにユウヤ。

やった……コウジが死んだ。

僕は目の前の光景に、微かに笑いながら顔に掛かったコウジの血を拭った。

後の二人もコウジの死にざまを見て、相当恐怖を感じているに違いない。