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「そうだねナオヤくん。でも……次はユウヤくんって決めてるんだ」
僕とヒサシのやりとりを楽しそうに見つめながら、ヒトシくんはそう言った。
「や、やめてくれよ!!何で俺なんだよ!!」
その言葉に慌てるユウヤ。
まあ、僕としてはヒサシでもユウヤでもどっちでも良い。
今までの恨みを晴らせるのなら……。
「じゃあ……始めようか」
ユウヤの言葉など無視して、地面に空きカンを置くヒトシくん。
そして僕を指差し、空きカンをツンツンつついた。
これは……蹴れという事だろうか?
僕はヒトシくんの足元に置かれた空きカンに近付き、小さく頷くと思いっ切り、それを蹴飛ばした。
カァン……。
少し篭ったような金属音と共に、クルクルと宙に舞う空きカン。
「がはぁっ!!」
と、同時に……背後でユウヤが脇腹を押さえて声を上げた。
「痛い……痛い!!」
よく見ると……ユウヤの胴体が奇妙な形に凹んでいる。
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