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そうか……僕が空きカンを蹴ったから、空きカンは凹んだんだな……だからユウヤの胴体も……。
「隠れろっ!!」
ヒトシくんが叫んだ。
ヒトシくんが走り出す。
空きカンがどこに飛んで行ったか分からないが、僕もヒトシくんの後に付いて走り出した。
「……すまねぇ、ユウヤ!!」
背後でヒサシが呟いた。
振り返る僕が見たのは、凹んだ部分を押さえるユウヤを見捨てて、僕達と同じように走るヒサシの姿。
……所詮、こいつらの絆なんてこんなもんだ。
仲が良いフリをしても、結局は自分が可愛い。
そんなやつらだからこそ、ヒトシくんを殺したのだろうけど。
最初にいた場所からあまり離れないように、僕は草むらの陰に隠れた。
チラリとユウヤの様子を伺うと、胴体を押さえながら空きカンが飛んだ方向へと歩いている。
あの様子じゃあ……ずっと鬼になりそうだな。
僕がクスクスと笑っていたその時。
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