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「ナオヤ!!テメェ、俺を脅しやがって!!」
ヒサシが僕の服を掴み、地面に押し倒した。
そのまま僕の上に馬乗りになり、拳を振り上げる。
「ぶっ殺してやる!!」
ヒサシの握り締めた拳が、僕の顔に振り下ろされた。
一発、二発……。
何度も何度も拳が僕の顔を捉え、そのたびに激しい痛みが襲い来る。
「何してるの?」
されるがままに殴られていた僕……ゆっくり目を開けると、ヒトシくんがヒサシの腕を掴み、睨み付けていたのだ。
「ヒサシくんがナオヤくんに手を出すのは許さない」
怒りに満ちた表情で……ヒトシくんはヒサシをそのまま突き飛ばした。
まるでゴミでも投げられたかのように飛んで行くヒサシ。
僕は……ヒトシくんに助けられた。
「ナオヤくん、面白いものが見られるよ。行こう」
地面に仰向けに倒れる僕に手を伸ばし、ヒトシくんはニヤリと笑った。
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