カンケリ

2/30
前へ
/92ページ
次へ
「ヒトシくん、木から落ちたんだって?」 「何で木に登ってたのかしらね……」 ヒトシくんのお葬式……周りでは、なぜ死んだのか、なぜ木に登っていたのか。 僕はその理由を知っている。 ヒトシくんは……お葬式に来ていない、いじめっこ達に殺されたようなものだ。 いつも一人のヒトシくん。 友達が欲しくて……いつも自分をいじめているやつとでも遊びたくて……。 カンケリをしていたやつらに勇気を出して声を掛けた。 すると、ヒトシくんはこう言われたんだ。 「木の枝に引っ掛かったカンを取って来れば遊んでやるよ」 ヒトシくんは遊んでほしい一心で、木に登った。 カンの引っ掛かっている枝に乗り……そして足を滑らせて落ちた。 頭から地面に落ち、首の骨が折れ、頭蓋骨が砕けて……脳が飛び出したのだ。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加