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「ナオヤくん、遊ぼうよ」
振り返った僕の目の前に……ヒトシくんが笑いながら立っていた。
「ナオヤくん、遊ぼうよ……皆でさ」
頭部の砕けたヒトシくんが、僕に手を伸ばす。
あまりに近距離から伸ばされた為に、払い除ける事も逃げる事も出来ずに、僕は右腕を掴まれた。
「ヒ、ヒトシくん……ヒトシくんはもう……死んで……」
恐怖の為か、思うように声が出ない。
それどころか、膝が激しく震えて立っている事もままならない状態。
気を抜けば……途端に腰が抜けてしまいそう。
「ナオヤくん……あいつらを殺すのを手伝ってほしいんだ……」
少し悲しそうな表情を浮かべ、ヒトシくんがそう呟いた。
あいつら……あいつらって、ヒサシ達の事だろうか?
いや、そうに違いない。
だって、他に思い当たるやつなんていないのだから。
「手伝ってくれるよね?」
次の瞬間、ヒトシくんの顔付きが変わり……悪魔のような形相になった。
腕を握る手にも力がこもる。
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