第一章「鳥にエサをやらないでください。」

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ここはトリドリという名のカフェ。 お客様は入った瞬間、その名前の意味を理解するのだ。 「色とりどりの鳥??」 鳥に関するあらゆるものが、店長の趣味なのか、集められている。 中でも人目をひくのがゴクラクチョウの剥製のような芸術作品。 本物の鳥は、かごの中に沢山いる。 なので、入り口には「鳥にエサをやらないでください。」とご丁寧に看板がでている。 ・そのお店で働く店員 「四季 彩子」しき さいこ 29歳 独身。女性。 店長がペットショップでナンパ(?)して雇ったという、まことしやかな伝説がある、鳥の世話ならどんとこい!な鳥女。 足が細くて鳥のようだ、とお客様からは好評だが、鳥のことが好きすぎて、お客様より鳥優先という、めったにいないタイプ。 姿形は、地味なのだが、それは「鳥の♀は地味な方が♂に好かれる」という、お客にとってはどーでもいい理由かららしい。 しかし、眼力はあるので、時々「みみずくちゃん」とあだ名で呼ばれている。 よくしゃべるオウムのトリネコと本気のケンカをしているのが店の名物にもなっている。 トリネコは、オウムなのだが、彩子をよく見ていて、彩子をからかうのが得意。 彩子のものまねでお客様を呼ぶので、彩子がついトリネコとケンカをするはめになるのだ。 他にも、「カナリヤ」「文鳥」「シジュウカラ」など、可愛い鳥が鳴いている 。
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