第二章 「 女優の過去 」

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「その後、主人公は牧師に助けられて、まったく違う人生を歩み出して、民衆に慕われる市長になってね。 その時に、貧しく虐げられどん底にいた女性の子どもを助けるんだ。 それがコゼットだよ。」 「凄い話ですね、それ。」 この話のコゼットと、あの鳥の名前はどう繋がるんだろう? 「最後はコゼットは幸せな結婚をするんだが。 きっと女優の広崎さんはあの役が好きだったんだろうね。」 「そうなんでしょうね。」 カララン・・・ 「いらっしゃい。」 女子高校生がすっかり慣れた雰囲気で、カウンター席に座った。 「アイスミルクティー。」 「はい。」 俺は、途端に動悸が激しくなったので、思わずコップの水を飲んだ。 PCに隠れるようにしていたが、女子高生はあっという間に俺の傍に来た。 「えーっと、お名前教えてもらってなかった。」 「あ、はい。 紺屋 士気です、コウヤって呼ばれてます。」 「こうやさん、鳥のこと、何かわかった?」 「ええ、名前・・・」 彼女の声が響き渡った。 「名前~~~~~?! まさか、あの鳥の名前??」 「ええ、あのコゼットって言うらしいです。」 「どうやって調べたの? あのウェイトレスさん?」 それで俺は説明した。 「凄いわ! ママも私も、1年調べたのに、それに名前も、色々調べたのに! これはママに知らせなきゃ! で、他には?」 なんだか彼女の勢いに呑まれそうだ。 「アイスティー、ここに置くね。」 マスターが助け舟を出してくれて、俺はやっと船につかまった。 彼女はしぶしぶ、カウンターに戻った。 「凄い、マスター! マスターのお客様ってなんでも知ってる人が多いのね!」 「そうね。」 「じゃあ、そのコゼットがどんな娘かわかってるのよね? 謎解きはマスターが一抜け?凄い~~~!」 「いや、それはまだだね。」 「ふうん・・・ 早速ママにメールしなきゃ。」 籠を持って彩子が現れると、真美はすぐにインコに話しかけた。 「コゼット、教えてよ! 宝物はどこ?」 インコは首を捻るばかりだった。 「コゼット、いいものあげるから教えて! えさが欲しいの?おもちゃかな?」
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