第二章 「 女優の過去 」

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俺はなんだか鳥は、そんなものはいらないんじゃないかと ・・・いや、いつも彩子が親身になってやってるからだけど そう思って言いかけたが止めた。 「ねえ、マスター! コゼットって放し飼いだったでしょ、だから本当は放し飼いみたいにお店でも籠から 出さなきゃ!」 あっという間だった。 真美が籠を開けるのを待っていたかのように、コゼットはバッと飛び出した。 カララン・・・ その時、ドアが開いて、コゼットはドアの方へ飛んだ。 「ああああーーーーーーーーーー!!」 皆が呆然とする中、彩子はすぐに籠を持って、追いかけた。 ドアから入ってきた客は、鳥が隙間から逃げたのと、続けて彩子とぶつかりそうになったことで慌てて店の外へ体ごと引いた。 「あらあら?何、今の鳥?」 俺も急いで鳥を追った。 真美は、あっけにとられた顔で、マスターを見た。 「だって・・・だって、まさかドアが開くなんて」 「すみませんでした、は?」 「はい・・・すみませんでした。」 「他のお客様がいるから、私は出られないけど、真美ちゃんのママには言っておいた方がいいね。」 「・・・う・・・はーい・・・」 道路の上を飛ぶコンゴウインコは、周りの人々の目を引いた。 「何、あれ?」 「綺麗ねえ、どこの鳥?」 「誰か捕まえてあげたらいいのに。」 はあっはあっ!彩子は一生懸命大きな声で呼びかけながら追った。 「コゼットーーーーー!!戻っておいでーーーー!!」 「おおいーーーー!!コゼットーーーー!!まて~~~~!!」 俺と彩子は力の限り走ったが、大きな公園の中にコゼットは入ってしまった。 「ううわっ!!コゼット!!どこだーーーーー!!」 2人で探したが、樹の影に隠れて見つけられなくなってしまった。 「コゼット、危ないからでてこーーい!!」 「おいでーーーコゼットーーーー!!」 声の続く限り呼び続けたが、コゼットはまるで息を潜めているかのように、動く気配が なかった。 そのうち、彩子は疲れて、ベンチに座り込んだ。 「こんな・・・ことって・・・ せっかく、名前もわかったのに・・・」 俺はもう少し離れたところを見てくると言って、公園の反対側を目がけて走った。 彩子が可哀想に思えた。 こんなに一生懸命世話してたのに。
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