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ノートパソコンの前に座って、もう1時間経つだろうか。
脱いで放ったままの服、本棚からあふれた漫画、それに紛れた講義のテキスト、勢いで買ったままのオシャレ雑貨。
4年分の物が積み上がった、6畳間ワンルーム。大学から少し離れた、学生用アパート。
間違いなく、俺の部屋。
メールが届いているかどうかを確かめるだけなのに、時間を食いすぎだ。
何しろパスワードが思い出せなかった。どこにメモしたかからして覚えていないから、思い出せたのは奇跡に近い。
こんな事で運を使いたく無いんだが。
いやこれは記憶力の問題か?
どうでもいいかと、切っていた回線の、接続ボタンをクリックする。
光回線が当たり前になりつつあるこの時代に、電話線を繋いだダイヤルアップ回線。ボロアパートだから仕方ない。
苛々と、のんきな電子音を聞いて待つ。
やっと、ブラウザメールが開いた。
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