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携帯端末を取り出し、確認する。
メールアプリを開けば、同じタイトルの並んだ、送信ボックス。
誰もいない部屋で、俺はひとり肩を震わせた。
本当に感動したときは、本当に、声も出ないもんだと、改めて知る。
確かに、俺の部屋。
20年前の、大学生の、
今夜彼女を食事に誘って、
……大失敗して、勢いでゼミ長と結ばれる予定の俺の汚部屋。
俺はやっと、過去へ来れたらしい。
これできっと、プロポーズをやり直せる。
《了》
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