第1章

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ある晩突然、1通のメールが届いた。 『 0627 中2の時のおまじないの隠し場所は、机の右側上から2段目の引き出しの裏 3年後のあなたより』 何これ? 差出人のアドレスは、今と変わらない自分のもの。 とても3年後から送られてきたとは思えないけれど、自分しか知らない情報が書き添えられている。 中2の時にしたおまじない。 誰にも見つかったら駄目な恋のおまじないで、もちろん誰にも言っていない。 その恋も実らぬまま、そんなおまじないの存在は今の今まで忘れていたのだけれど。 信じがたいし怪しさ満点ではあるけれど、変わらぬ退屈な日常を変えてくれる『何か』な気がして、信じてみるのも悪くない。 そう思えてきた。 「0627……」 3年後の私からのメッセージはこれのみ。 けれど、この数字に見覚えはない。 何かのパスワード? 誰かの部屋番号? それとも、携帯番号の下4桁とか? ふとそう思って携帯電話のアドレス帳を見るが、誰にも当てはまらない。 じゃあ6月27日の誕生日の人とか? 思い出そうと頑張るが、どうにも心当たりはない。
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