第1章

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「行ってきます」 「道草せずに学校に行けよ」 「ウン」 僕は、引き取ってくれたお爺ちゃんに手を振って家を出る。 高台にある住宅街から、海の傍に建てられた学校に向けて歩き出す。 小学校低学年の子供を含め道行く人達は皆、スマホを見ながら歩いていた。 50年前に開発された、過去にメールを送れる技術を使って、半年後の未来の自分から送られてくるメールを読み、半年前の自分にメールを送る。 それらを行いながらみんな歩いていた。 開発された当初は、1日前にメールを送るだけで1千万以上のお金がかかったらしいけど、だんだん安くなってメールの送受信を半年に限定したら、友達にメールを送るのと同じくらいの料金になったんだって。 て、クラスの友達が教えてくれた。 僕はお爺ちゃんの、人生の先が見えたらつまらないという考えで、スマホは持たせて貰ってない。
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