第1章

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母のいいなりで、味方になるどころか足を引っ張る存在でしかない父親が、けっして近くないこの地に、いまさら何故のこのこ顔を出してきたのか。 小暮の疑問に父親が答えた。 「母さんがぼけてしまった。最初はそうでもなかったが、見る見るひどくなって、今では俺の顔すらわからないんだ」 だから、どうにかしてくれ、と言うことだ。 それなら小暮に思い当たる節がある。
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