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すると、なんという事でしょうか。
そこから溢れ出す七色の光。2人はその光の強さに目を瞑ってしまいます。
やがて光は収束し、目を開けて見ればそこには大層めんこい赤ん坊がオンギャー、オンギャーと泣いております。
「まあ、なんとも可愛らしい赤ん坊じゃろうか」
おばあさんは桃の実を蹴り飛ばし、赤ん坊を抱きあげます。
おじいさんはというと、目の前の非現実に口を開けて呆然としておりましたが、直ぐに正気を戻します。
「も、もももの中から赤ん坊が、全く解せん。ばあさん!さっきから何でも警戒しなさすぎじゃぞ!」
「えっ、まぁ桃汁でベタベタ気持ち悪いけど可愛い顔してますよ、ほら」
叱咤するおじいさんにおばあさんは、泣き止んでスヤスヤ眠る赤ん坊な顔を見せてやります。
それを見たおじいさんさんは食べちゃいたいくらい可愛い寝顔だと思いました。桃だけに。
そして、そんな糞程つまんねぇ事を考えながらも、赤ん坊を自分の胸に迎え入れるおじいさん。
間近で見る無垢な赤ん坊の寝顔。おじいさんの警戒心は無くなってしまいました。
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