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おばあさんのベッドで待ち受ける狼。
「おばあさん、こんにちは。あかずきんです。」
「おお、あかずきんかい。ドアは開いてるよ、お入り。」
「おばあさん、お体はいかが?」
「あまりよくないよ。あかずきん、すまないが、背中をさすってくれないかい?」
狼は飛びつくタイミングを伺っている。
「ええ、おばあさん、わかったわ。」
よし、今だ!
布団から勢い良く飛び出した狼の頭を何かが捕らえた。
えっ?
あっという間だった。
あかずきんの中から、大きなペリカンのようなクチバシが飛び出したかと思うと、狼が被っていたおばあさんの首をパクリと飲み込んだ。
えええええええ?マジで?
次の瞬間には、その大きな鋭い歯のついたクチバシが狼を丸ごと飲み込んだ。
ジタバタする狼の足をひょいと上を向くと、バリバリと音を立てて咀嚼した。
ゲフ。
大きなゲップをすると、あかずきんは鼻歌交じりに家に帰って行った。
狼があかずきんに声をかけたお花畑には、ぶどう酒とケーキの入ったカゴがぽつんと置かれていた。
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