0人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな、ギシギシの悪口を広めあうサルビア達をみて、私は生ぬるい視線を送った。
甘い。
こんな栄養の薄い土地で生き残るなら、平和事を言ってられない。
サルビア達には、人間というサポーターがいるから分からないのだろうけど、野生の私達には、そうせざるしかない。
限られた栄養の土地に生える植物に、共生はないのだ。
そんな環境におちいって生まれた自分の考えに、ただ虚しさが心がグルグルする。
あの頃は良かったな。
農薬を撒かれる前の、あの様々な植物で賑わったココが。
特に、私の元左隣さん。
皆に気を使って、根を最低限はやしてこない、優しい左隣さん。
そして今なら、彼の腰が曲がっていた理由が分かる。
私に良く日差しが当たるようにと、腰を曲げてくれていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!