0人が本棚に入れています
本棚に追加
そうなのだ。
運命の人と結ばれず朽ちることは、私の分の農薬を吸って苦しんで亡くなったギシギシに、報われる行為ではないのだ。
「ねぇ。ギシギシの愛情表現は、僕らの子孫に彼のことを伝えるってのは、どうかな?子ども達に、ギシギシの優しさを語り継がせ、彼の子孫の代わりに、存在を永遠に生かすんだ。」
そう言えばギシギシは、私が運命の人と結ばれることを望んでたんだっけ。
私は目をつぶり、左隣に居た彼を思い浮かべながら、目の前の男とキスをした。
*****
最初のコメントを投稿しよう!