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その日退社したのは、午後10時過ぎだった。 抱えてる案件は、和明との仕事を合わせて三つになったから、しばらくこの忙しさが続くだろう。 瑞希はよろよろとアパートのドアをあけて、靴を脱ぐ。 キッチンに直行して、コンビニで買ったパスタを温めた。 コシのないパスタを食べながら、ぼんやりと仕事の事を考える。 これからの見通しと段取りを頭に浮かべつつ食事を終えると、バスルームに向かった。 疲れている時こそお風呂に入りたいけど、気力がなくてシャワーで済ませてしまった。 そしてベッドに倒れ込むようにして、疲れた体を投げだした。 「はぁ……」 大きく息をつくと、自然と瞼が下がる。 このまま寝てしまいそうだけど、瑞希はどうにかしてスマホに手を伸ばした。
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