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フルールの中に、新着メッセージは3件あった。
その中に、ミヤサカからのメッセージはない。
瑞希は無意識に眉間にしわを刻みつつ、一番上のメッセージを開いた。
『美月さんこんばんは
やりとりも重ねてきたことですし、
そろそろ会ってみませんか?
そちらのご都合のよろしい時で構いませんので、
よろしくお願いします』
(あ………)
読み終えると、感じていた眠気が消えた。
かわりに、ため息が零れる。
メッセージの差出人は、ササハラという男で、40歳の銀行員だ。
写真では歳のわりに若く見えるし、一番の候補だったリュウジの次点が、このササハラだった。
(どうしよう……)
ササハラとのやりとりは、今で一か月。
瑞希が慎重なだけで、悪い印象はないし、そろそろと言われたらそうだと思う。
瑞希は迷ったけど、了承する返事をした。
そしてほかのメッセージにも返信して、フルールを閉じた。
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