4688人が本棚に入れています
本棚に追加
その人は瑞希が何度も睨みつけていたプロフィールの写真と同じ顔で、だれなのか認識した瞬間、瑞希の鼓動が音を立てる。
―――ミヤサカだ。
たしかに見た目の詐称はなかった。
なかったけど、写真よりも実際のほうが数段よく見えるなんて、瑞希は想定していなかった。
すらっとした長身は、人だかりの中でも人目を引いているし、その場の若い女子たちの甘い視線を攫っている。
そんなミヤサカは、色めきだつ女子たちに目をくれず、視線を彷徨わせていた。
それを見ながら、瑞希の動悸はだんだんと激しくなる。
内心笑ってやろうと思ったのに、自分のことを探す姿を見て、笑うどころか胸が苦しくなってきた。
最初のコメントを投稿しよう!