4688人が本棚に入れています
本棚に追加
(……っていうか)
さっきからへんな注目を浴びているのが気になる。
たしかに人を探していたけど、そんな挙動不審だったか?
集まる視線にいたたまれなくなってきたところに、『美月』はようやく「ミヤサカさんですか?」と聞き返してきた。
浩二は内心ほっと胸を撫で下ろす。
それと同時に、声まで美月にそっくりで、鳥肌がたった。
こんな偶然はあるのかと、気をとられて反応が遅れれば、『美月』は『違うの?』といわんばかりに眉を下げる。
(―――やばい)
浩二は慌てて繕う。
「そう、俺が宮坂です はじめまして」
軽く微笑めば、『美月』はゆっくりと立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!