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抑揚のない言い方が引っかかる。 けど、調べてくれてたなんてちょっと意外だし、照れ屋なだけなんだろうか? 浩二が二つ返事で頷くと、『美月』は「なら、行きましょうか」と、井の頭通りを歩き出した。 待ち合わせ場所からほど近い、とあるビルの前で、『美月』は足を止めた。 「ここの8階なんです」 そこは、洒落たレストランだった。 どうやら、夜はダイニングバーらしい。 室内の階段をさらに上がると、屋外でも食事が出来るそうだ。 「テラスでしたらすぐご案内できますが、どうされますか?」 店員に聞かれ、気候もちょうど良かったので、テラス席に座ることにした。
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