36/77
前へ
/399ページ
次へ
どう反応していいか迷う浩二に、『美月』は訝しげに眉を寄せた。 「っていうか……  ほんとになにも婚活事情を知らないんですか?」 「え?」 「フルールのサポートデスクを活用したり、婚活ブログを読んだりとかは?」 「あー……してないな」 (みんな、そういったことをしてるのか) 浩二はそういった方向の努力を、一切していない。 『美月』は意外そうに目を丸くすると、なにか言いたそうな顔をしていた。 リサーチ不足は否めず、浩二は居心地が悪くなりつつも、しばらくは雑談を続けた。 二杯目のビールも空になり、会話が途切れたところで、『美月』がふいに顔を上げた。 「それで、ミヤサカさんはどうして婚活サイトに?  正直言って、ミヤサカさんはすごくモテそうだし、  婚活なんて必要ないように思えるんですが」
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4688人が本棚に入れています
本棚に追加