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それから食事を済ませ、店を出た。 「これからどうしますか?」 『美月』が尋ねると、浩二は「そうだね」と、首の後ろを押さえる。 正直、浩二はこの先なにも考えていなかった。 美月に似ているか確認するのが今日の目的だったから、もう果たしているといえば果たしているんだけど……。 『美月』に会って、美月のかわりはこの女しかいないと確信したから、このままお開きは味気ない。 「もう少し話でもしようか。  美月さんがよければ、どっか喫茶店でも入らない?」 「……いいですよ。    なら、そうしましょうか」 頷いた『美月』はどこか当てがあるらしく、駅とは反対方向へ歩き出した。 『美月』の隣に並ぶと、浩二はさっき引っかかったことを尋ねる。
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