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(え………)
そんなふうに、素直に頷かれるなんて、意外だった。
今までの『美月』の様子だと、もっと尖った返答をされるかと思っていたから。
けど、浩二も気分を落ち着けたい時に、コーヒーが飲みたくなるから、なんとなく気持ちはわかる。
クレープを口に運んでいた『美月』は、ふとなにかを思い出したように、表情を変えた。
表情を欠いたような顔に、なんだろうと心がざわついた瞬間、独り言のような声が浩二の耳に届いた。
「……ミヤサカさん。
『付き合ってることが辛かった』って、どういう意味だと思いますか?」
「……え?」
質問の意味がわからず問い返すと、『美月』はこちらを見ないまま答えた。
「私、彼氏にそう言って振られたんです。
……男の人ってどういう時に、『付き合ってるのが苦しい』って思うんですか?」
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