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なにも言わずに瑞希を見ていたミヤサカは、ふいに目を逸らして、店員を呼んだ。 店員が傍に近付くと、ミヤサカは瑞希を横目に、「ホットコーヒーでいい?」と尋ねた。 (……ちょっと…… このタイミングで、追加なんてする?) 思いがけない行動に、瑞希は唖然とした。 聞きたくないという意思表示かもしれないど、話はまだ終わってないのに、あんまりだ。 返事もできずにいた瑞希は、やがて眉間にしわを寄せて、ミヤサカを睨んだ。 注文を済ませると、ミヤサカは瑞希の手にあるカップに視線を投げる。 「……もうそれ、中身からっぽでしょ。 話はわかったけど、まずは温かいものを飲んで少し落ち着いたほうがいい」
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