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「今までに何度か付き合ったことがあるけど、その度に『一緒にいるのが苦しい』って言われた。
相手が変わっても、言われるのは同じ台詞で、かなり堪えたよ。
……けど、だんだん相手がどういった気持ちでそう言うのか、わかるようになった」
ミヤサカは、記憶を思い出すように、少し目を細める。
浮かぶ寂寞の色に、瑞希は苦しくなった。
彼は、フルールに登録した理由を『失恋』と言った。
嘘をついているようにも思えなかったけれど、絶対にモテるだろうから、瑞希はどこかで疑っていた。
けどそれは違ったんだと、今は心が告げている。
恥じて俯く瑞希の元に、静かな声が届いた。
「もしも理由を知りたいと思うなら、美月さんも思い出してみて。
相手のちょっとした仕草とか、表情の変化とか、そういったところに『答え』があったんじゃない?」
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