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どこか寂しそうな声が、瑞希の心に流れる。
(和明を、まだ好き……?)
瑞希は無意識のうちに、ミヤサカの言葉を心の中で繰り返した。
たしかに、まだ和明を引きずってる。
だけど、好きだと言われても、ピンとこないどころか、違和感を感じた。
(なんで………)
感覚のずれに戸惑っていると、ミヤサカがそっと視線を外した。
彼はそれ以上、なにも言わない。
瑞希のほうも、この気持ちを言い表せるような言葉が出てこなかった。
否定も肯定もできずに、ぬるくなったコーヒーに口をつける。
(和明が好き、か……)
瑞希は心でもう一度呟いて、光の満ちる窓の外に目を移した。
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