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主人公は学芸員の青年で、博物館に盗難予告が届いたところから、ストーリーが始まる。 盗難予告されたのは、特別展示のために、アフガニスタン国立博物館から借りた、紀元前の装飾品だ。 多重人格の主人公が、静と動の人格を使い分けて、歴史の謎や隠された闇に迫り、犯人を追い詰めていくといった内容だ。 予想した結末が二転三転して、エンドロールが流れ始めた。 真後ろの人が席を立ったらしく、見入っていた浩二は、意識を引き戻された。 場内が明るくなると、隣に目を向ける。 それと同時に、『美月』の頬を涙が伝っているのに気付いた。 (え……) 驚く浩二と、顔をあげた『美月』の視線が重なる。 その瞬間、彼女は浩二の目を逃れるように、俯いた。
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