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それから月日が過ぎ、スケールアウトは二週間前に公開になった。
気になっていたけど、到底観る気になれず、世間に溢れている広告も見ないようにしてきた。
けれど、さっき突如ミヤサカに映画に誘われた時、ふと思った。
もしかして、これは荒療治になるかもしれないと。
動じずに映画を観れたとしたら、和明にまつわることは瑞希が思っているよりもなんでもないんだと、思えるような気がした。
実際、さっき和明を好きだと言われて、違和感を感じたんだし、きっと大丈夫。
内心そう言い聞かせて、気丈に振る舞った。
泣くつもりなんてなかったし、映画を楽しんでやるつもりだった。
そんな瑞希にとって、和明の顔や声が頭にちらついてしまったことは、大きな誤算だった。
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