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映画を観る約束なんて、きっと和明は忘れている。 自分だけが気にしているなんてみじめだし、卑屈な気持ちが蘇ってしまった。 この気持ちは、和明を恋しいからかと問われたら、違う気がする。 けど、次第に胸の奥から熱いものがこみ上げて、涙となってしまった。 (はぁ………) 瑞希は歩きながら、こっそりため息をついた。 ミヤサカには、何度となくへんなところを見せてしまっている。 泣いたことだって、感動ものの映画だったなら言い訳もできたのに、あのストーリーじゃ申し開きができない。 今日で彼とは最後だから、どうでもいいと割り切ってるけど、さすがにこのままサヨナラは決まりが悪い。 瑞希は礼儀として、もう一度謝っておくことにした。
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