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「ミヤサカさん。
さっきは……ごめんなさい」
前を向いたまま言えば、間を置いて視線を感じた。
咄嗟に、なにか追及されるかと身構えた。
だけどミヤサカは、「涙活、できた?」と短く言っただけだった。
「え……?」
一瞬なんのことかわからない。
目を丸くした瑞希に、彼はなんでもないふうに続けた。
「涙活してるって、美月さんのページに書いてあったから」
(あ………)
たしかに、それは書いてある。
和明にフラれた自虐のつもりだったけど、突っ込まれるのも飽きたし、そろそろ消そうとしていたところだった。
しばらく言葉を待っても、ミヤサカは泣いた理由も聞いてこない。
(なに……なんで聞かないの)
ほっとするはずが、瑞希は肩透かしをくらった気分になった。
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