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彼はなにか迷っていたけど、やがて口を開いた。
「もう、俺とやりとりするつもりがないんだよね?」
「え……」
確信めいた口調に、瑞希の心臓は大きな音をたてた。
まさにそのつもりだった。
けど、そう思ってるのはそっちのほうじゃないの?
唖然としていると、ミヤサカは「やっぱり」といったふうに眉を下げる。
「……俺、美月さんと、ここで終わりたくないんだけど」
瑞希は心底驚いた。
じっと目を見つめられて、不覚にもドキッとしてしまう。
「な、んでそんなことを言うんですか。
私、ミヤサカさんに気をつかわなかったし、しかも泣いたし、ものすごく鬱陶しいでしょう?
それなのに、なんで」
思わず口にしてしまうと、ミヤサカは静かに言った。
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