38/50
前へ
/399ページ
次へ
(なによ、そっちが言い出したくせに) たしかに酔っているけど、そうでなければ聞けないから聞いてるんじゃないか。 瑞希は水をぐいっと飲むと、ミヤサカを見据えた。 「……もしかして、ミヤサカさんもシンプルってどんなのかわかってないんですか?」 「え?」 「言えないってことは、そうじゃないんですか?」 羞恥からくる言いがかりをぶつけると、ミヤサカは呆れたように息を吐き出した。 「……本当に酔い過ぎ。 だから、そんなの口で言えるもんじゃないんだって」 「そうですか。 ならもういいです。 ミヤサカさんなら答えてくれると思った、私が馬鹿でした」
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4688人が本棚に入れています
本棚に追加