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外の少し冷たい空気が、酔った体に心地よかった。 駅までの道を歩きながら、瑞希はミヤサカに尋ねた。 「ねぇ、宮坂さん。 そういえば、宮坂さんの婚活は順調なんですか?」 何気なく彼を見上げれば、ミヤサカの目が憂いを帯びているのに気付いた。 (え……私、なにか変なこと言った?) さっきまでと違う雰囲気に、わずかにたじろぐ。 けれど感じた違和感がなにかわからずに、瑞希は空気を変えようと明るく続けた。 「私しか面会したことがないって言ってましたけど、ほかに約束は取り付けられました? ミヤサカさんなら、申し込み多そうですけど」
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