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自惚れたくなかった。 こんなハイスペックな男が、自分に一目惚れなんてあるはずない。 なのに、向けられる眼差しと状況が瑞希を惑わせる。 条件だけならミヤサカは申し分ない。 見た目もいいし、次男だし、フルールに書かれている年収もたぶん本当だろう。 だから頷いたっていいはずなのに、瑞希の心は強く揺れていた。 どうしてだろう。 踏み出せないのは、恋愛を経験しないと結婚できないと思ってるから? ……いや。その考えはとっくに捨ててしまったはずだ。 ミヤサカが、自分に一目惚れなんて信じられないから? ……いや。彼の目は、人を騙そうとしているようには思えない。 瑞希は言葉に窮していた。
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