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ミヤサカと別れ、アパートに戻ったのは23時を過ぎた頃だった。
鞄を下ろし、瑞希はそのままぺたりと床に座り込む。
「はぁ……」
あの後ミヤサカは「ごめん」と瑞希から離れ、弱ったように笑った。
(なんなのよ……)
本当、ミヤサカの考えてることはわからない。
あんな顔をされたら、気になって仕方がないじゃないか。
瑞希は二度ため息をこぼすと、鞄からスマホを取り出した。
(面会のキャンセルと、フルールに休止の連絡しなきゃ……)
そう思った時、手の中でスマホが震えた。
『今日はありがとう。嬉しかった』
ミヤサカからの短いメッセージが、瑞希の胸を複雑に揺らす。
「嬉しかった、か……」
彼の様子からそんなふうには見えなかったけど、本当は喜んでいたんだろうか。
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