モンタージュ

Ⅰ

アパートに帰ると、鞄を床に下ろして、レンジでパスタを温めた。

具がほとんどない、クリームパスタ。

これを選んだのは、これが食べたかったからじゃない。

深夜のコンビニにこれしか残っていなかったからだ。

温め終えたパスタを数分で食べ終えると、流しに容器を突っ込んでバスルームに向かう。

（今日はシャワーにしとこうかな……）

本当はお風呂に入りたかったけど、沸くのを待ってる間に寝てしまいそうだ。

せめてもと熱いシャワーを浴びて、気持ちだけでもさっぱりさせると、瑞希は髪を拭きながら鞄からスマホを拾い上げた。

いつものようにフルールのマイページを覗くと、新着メッセージがあった。

何気なくメールボックスを開いたと同時に、「え」と声があがった。

差出人の中に知らない名前があったからだ。

タイトルは『はじめまして』となっている。

瑞希はそのメッセージをクリックしてみた。