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気になって向かいの和明を見れば、「なに?」と聞かれてしまった。
「あ、いや……」
瑞希が言葉を濁すと、和明は「なんだよ」と言いたげな顔で瑞希を見る。
けれど何も言わずため息をつくだけで、瑞希も和明から目を逸らした。
それから食事を終え、短い打ち合わせが始まった。
和明が広げた仕様書を覗き込み、説明を受ける。
時間的にそれが精一杯だったけど、頭に入れておけば三時からの打ち合わせで、質問や意見をすぐに出せる。
昼休みが残り五分になったところで、和明が顔を上げた。
「そろそろ行こうか。三時からまたよろしく」
「はい、また後で」
トレーを手にふたりが立ちあがった時、「飯田さん」と細い声が聞こえた。
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