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食堂を出る直前で、ちらりと後ろを振り返る。
辻はいかにも男受けしそうな見た目で、清楚な感じだ。
今でこそ瑞希も見た目を整えているけれど、雰囲気は真逆に近い。
(結局、男はああいった子がいいのよ)
守ってあげたいと思わせる女。
これが結局のところ、恋愛では勝ち組なのかもしれない。
瑞希はやさぐれた気分になった。
自分が和明に一人で生きていけそうだと言われたことを思い出して、また気が滅入ってしまう。
このままだとどんどん思考が悪いほうへ下がって行きそうで、瑞希は振り切るようにエレベーターへ歩き出した。
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