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三時からの打ち合わせは、事前に内容を頭に入れていたおかげで、予定どおりの時間に終えることができた。
それはよかったけれど、さっきの一件で、和明との空気がまたよそよそしくなってしまった。
(……本当、社内恋愛は面倒なんだから)
瑞希は内心ため息をつく。
早く仕上げて、さっさとこの仕事を終わらせてしまいたい。
けれど和明はこの仕事にとても情熱を傾けていて、その姿勢には感心していた。
彼の話によれば、クライアントも瑞希たちに期待をしているようだし、頑張らないとと言い聞かせた。
その日はいつも以上に慌ただしくて、アパートに帰ったのは日付が過ぎてからだった。
作り置きしておいたカレーを食べ、さっとシャワーを浴びる。
風呂上がりにフルールを訪れるのが日課だったけれど、昨日から瑞希はそれをやめた。
かわりに開いたのはLINEで、ミヤサカとのトーク画面を見つめる。
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