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そろそろやばいと焦りだした昨晩、瑞希のほうからメッセージが届いた。 『おやすみなさい』 ただそれだけだけど、それが思いのほか嬉しかった。 あぁ、こういったことでいいんだと、同時にふっと力が抜けた。 浩二も『おやすみ』とだけ返したけれど、昨日とまったく同じ文章を見て、思わず笑ってしまった。 いったい瑞希は、どんな顔でこれを送ってきているのだろう。 浩二は苦笑しつつ、また『おやすみ』と送って、スマホをしまいかけた。 その時、ふと原田たちの話が頭に浮かび、浩二は閉じたLINEをもう一度開いた。 『こんばんは。遅くにごめん。 もし予定がないなら、明日仕事終わりに食事にいかない?』 送信ボタンを押したところで、最寄り駅のアナウンスが流れた。 浩二はスマホを片手に、ホームに降り立つ。
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