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『今度こそ、おやすみなさい』 浩二は思わず声に出して笑ってしまった。 こういうところ、瑞希は律儀だと思う。 終電が過ぎたホームには、浩二しか残っていない。 なんとも言えない温かい気持ちが、しんとした夜の空気に心地よかった。 浩二は『おやすみ』と返信して、スマホをポケットにしまうと、ゆっくりと階段を上がり始めた。 「宮坂。 今日河合たちと飲みにいくんだけど、お前もどう?」 翌日の午後5時半。 疲れた赤い目をした原田が、キーボードを打つ手を止め、浩二に尋ねた。 「あぁ、悪い。俺はパス。 今日は予定があるんだ」 浩二がパソコン画面から顔をあげ、ちらりと目を向けると、少しして原田が唸るように言った。 「予定……? まさか女じゃないだろうな」
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