23/69
前へ
/399ページ
次へ
「お前、本当に飲み会来ないの?」 「あぁ、悪い。みんなで楽しんできて」 パソコンの隙間から尋ねた河合に、浩二は少し眉を下げて言うと、足早にオフィスを後にした。 その後ろで「ハゲろっ」と原田の投げやりな声がする。 浩二は「ハゲねーよ」と心の中で呟いて、満員のエレベーターに乗った。 駅へと歩きながら、瑞希に連絡しようとスマホを取り出した。 『お疲れさま。今仕事が終わって、駅に向かっているところ。 瑞希さんは、仕事終わった?』 LINEは少しして既読になった。 『お疲れさまです。 ごめんなさい、ちょっとバタバタしてて、会社を出るのがもう少しかかりそうです。 駅に着いたら連絡しますね』 『わかった。 急がなくていいから、慌てないで』
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4688人が本棚に入れています
本棚に追加