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「お前、本当に飲み会来ないの?」
「あぁ、悪い。みんなで楽しんできて」
パソコンの隙間から尋ねた河合に、浩二は少し眉を下げて言うと、足早にオフィスを後にした。
その後ろで「ハゲろっ」と原田の投げやりな声がする。
浩二は「ハゲねーよ」と心の中で呟いて、満員のエレベーターに乗った。
駅へと歩きながら、瑞希に連絡しようとスマホを取り出した。
『お疲れさま。今仕事が終わって、駅に向かっているところ。
瑞希さんは、仕事終わった?』
LINEは少しして既読になった。
『お疲れさまです。
ごめんなさい、ちょっとバタバタしてて、会社を出るのがもう少しかかりそうです。
駅に着いたら連絡しますね』
『わかった。
急がなくていいから、慌てないで』
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